イノベーションや未来へつながるコミュニケーションを実現する「管理職3200名への1on1研修」

NECソリューションイノベータ株式会社様

プロジェクト概要

背景・課題

2018年に会社統合と組織統合が一段落し、社内コミュニケーションの活性化を進める段階に来たのが2019年でした。「さらなるイノベーションを推進するため、全社的に1on1を導入しよう」とトップダウンで決定しました。一方で、未来に関する社内コミュニケーションを増やしたいというボトムアップのニーズもありました。1on1導入と合わせ、トップマネジメントから課長クラスまでの管理職全員が受講する「1on1研修」の実施が決まりました。

検討プロセス・実行施策

2019年7〜9月に実施しました。2日間の集合研修です。全国で130回ほど集中開催し、約3200名が受講しました。「管理職の意識改革」を目指したところ、事業部長たちが1on1研修の内容を自発的に変えて白熱した議論を交わすなど、想像以上の場になりました。受講2日目には、1on1導入はNECソリューションイノベータを変える大きなチャンスなのだと理解・納得し、意識が変わる受講者が急速に増えました。

成果・今後の取り組み

2019年11月に1on1を導入し、2020年7月に全社展開しました。1on1実施率は約97%を維持しており、「やらされ感」も強くなく、好意的な意見が大半です。アンケートでは約80%が「1on1は良い」、約40%が「上司との関係が良くなった」と回答しており、効果は確実に出ています。今後は関係構築の1on1から成長支援の1on1へと徐々に軸足を移し、質を高めます。1on1研修のおかげで、短期間で根づきました。

背景・課題

未来へつながるコミュニケーションを実現するため、経営陣は全管理職を対象とした1on1研修実施を決定

丸岡様

丸岡:私たちNECソリューションイノベータは、2019年11月に1on1を開始しました。その背景には、いくつかの文脈があります。

そもそも私たちは、2014年4月にNECグループ7社が会社統合してできた「NECグループの社会価値創造をICTで担う中核会社」です。その後も、2018年までに何度かグループ内会社統合を行いました。新会社設立直後の1年で制度面の統一を急ピッチで遂行し、次の数年は力と心を合わせるための組織統合を進めてきました。2018年に会社統合と組織統合が一段落し、いよいよ社内コミュニケーションの活性化を進める段階に来たのが2019年でした。これが1on1を始めた第一の理由です。

第二の理由は、私たちNECソリューションイノベータが「ICTとイノベーションで新しい価値を生み出すバリュー・プロバイダ」だからです。イノベーションを起こすには、頻繁な対話が欠かせません。2018年頃に1on1が広まったとき、社長・経営陣が注目して、「さらなるイノベーションを推進するため、全社的に1on1を導入しよう」とトップダウンで決定しました。

近藤:一方、労使協議のなかで社内コミュニケーション調査を進めたところ、目の前の業務に対するコミュニケーションは盛んだが、部署や従業員の未来に関するコミュニケーションは不十分だ、という結果が出ました。従業員一人ひとりが今後どのようなことに取り組み、どう成長していくかを話し合う場として1on1を活用したい、というボトムアップのニーズも同時に出てきたのです。第三の理由です。

第四の理由として、SEなどの従業員が取引先に常駐することが多く、対面で話す機会がめったにない上司と部下が一定数存在する、という業務上の特性があります。1on1を導入することで、そうした上司と部下の関わりを増やしたい、というねらいもありました。

八田:第五の理由として、NECグループの社内変革プロジェクト「Project RISE」があります。Project RISEが目指す重要なゴールの1つは、「ビジネスへの貢献意欲と高い情熱をもつ社員を増やしていく」こと。そのためには、1on1のような「社員の主体性と創造性を引き出す仕組み」が必要です。1on1は、NECグループ全体のカルチャー変革にも沿った取り組みなのです。

丸岡:こうした理由から、私たちは1on1の導入を決めました。導入にあたっては、-トップマネジメントから課長クラスまでの管理職全員が受講する「1on1研修」を行うことも同時に決まりました。NECソリューションイノベータ経営陣からは当初、3日間の研修にしたいとリクエストがありました。しかし、逆にリクルートマネジメントソリューションズから「まずは1日研修でスタートしましょう」と言われ、結果的に2日間の研修になったというエピソードもあります。経営陣はそれほど1on1に本気だったのです。

検討プロセス・実行施策

事業部長たちが1on1研修の内容を自発的に変えた

八田様

丸岡:1on1研修は、2019年7〜9月に実施しました。2日間の集合研修です。東京本社を中心に全国で130回ほどを集中開催し、約3200名の管理職が受講しました。この研修をリクルートマネジメントソリューションズに依頼したのは、大規模研修や全国対応が可能で、かつ高品質な2日間研修を提供してもらえる会社だったからです。

八田:私たちが目指したのは、「管理職の意識改革」でした。1on1とは何か、なぜ実施するのか、本当の傾聴とはどのようなものかをまずしっかりと説明しました。そのうえで、実践的な対話とロールプレイに多くの時間を割き、今なぜ1on1がNECソリューションイノベータに必要なのかを腹に落としてもらい、管理職の意識を変えることを目指した仕立てにしました。

毎回、1日目の冒頭は、必ず人事担当者が1時間ほどかけて1on1導入の意図を熱く語ったのですが、この時点では受講者の多くが怪訝な顔をしていました。1日目が終わったときも、半信半疑の表情で帰る者が少なくありませんでした。ところが、2日目になると顔つきがガラリと変わりました。1on1導入はNECソリューションイノベータを変える大きなチャンスなのだ、と理解・納得し、意識が変わる受講者が急速に増えたのです。

特に印象的だったのが、事業部長以上の1on1研修でした。今回、事業部長以上は別枠で研修を行ったのですが、あるとき彼らが自ら「この研修を使って、どうしたらNECソリューションイノベータを熱い組織に変えられるのかを議論したい」と言い出し、研修内容を自発的に変えたのです。リクルートマネジメントソリューションズのトレーナーがその意見を柔軟に受け入れてくれたこともあって、議論は白熱し、その場を見ていた私たちが感動するほど盛り上がりました。その後、事業部長以上の研修では、すべて「NECソリューションイノベータを良くするアイディアを考える対話」をすることになりました。

近藤:ただし、私たちが一番の鍵だと考えていたのは「課長クラス」でした。なぜなら、当社では課長クラスが最も現場に近い管理職だからです。課長クラスは部下の数が多く、1on1の負荷がかかります。1on1研修を通して、彼ら・彼女たちに「1on1はすばらしい。ぜひ実践したい」と実感してもらうことが欠かせないと考えていました。

八田:全員に共通して理解してもらう必要があったのが、「1on1の意味と意義」です。1on1は部下が主役となって話す「部下のための時間」であって、上司がアドバイスする時間ではないこと。傾聴とは、アドバイスを考えながら聞くことではなく、ただひたすら相手の言うことに集中して耳を傾けること。こうしたポイントを理解してもらうことが極めて大切でした。なぜなら、NECソリューションイノベータにはこれまでそうした仕組みや文化があまりなかったからです。

ソリューションプランナーの声
山田さん

株式会社 リクルートマネジメントソシューションズ
ソリューションプランナー 山田 雅之


ここ数年、今後に向けたイノベーティブな組織風土づくりを目指し、そのためのコミュニケーションの密度や心理的安全性を高めていくための施策として「1on1」を導入する企業が増えています。それにともない、その導入に向けた管理職の皆様の意識づけやスキル習得の一環として、「1on1」研修をご用命いただく事例が増えています。
今回のご支援はそのなかの1社の事例ではありますが、規模(受講者数、研修日数、開催クラス数)が桁違いに大きく、かつそれを3カ月という短期間で実施された点に、会社としての真剣さを感じました。また、今回の研修を単なる「1on1」の導入、運用という目的にとどめず、管理職の皆様のマネジメントに関する再学習と位置づけたこと、「1on1」の推進に対して経営の本気を示そうとしたことが、その規模の大きさの理由だったと認識しています。

日頃、日本の大手企業の各社にお邪魔し、会話していると、将来に向けて変わりたいという思いがあっても、それがなかなか進まず、悩んでいる経営・人事の方々の声を伺います。一方、日々の業務や業績向上のために邁進している社員の方々の、責任感の強さや意欲・能力の高さには、感銘するものがあります。その社員の方々のポテンシャルを開花、発揮させるため、そこに大きく影響する、会社の風土と制度、そして、メンバーへのマネジメントを支援したいと考えています。

これまでもそんな想いで各社のご支援をしてきましたが、DXやAIの活用がますます進むにともない、人間だからこそできる創造(想像)や、信頼、愛情、勇気など、これまで会社経営としてはあまり語られてこなかったことこそ、重要視されると考えています。言い換えれば、企業経営における人間性をあらためて重要視することこそが、今後の新しい時代を創っていくのだと信じています。
今回の施策は、そのような新しい経営のあり方に向けた、大きなチャレンジでもあると思います。

成果・今後の取り組み

関係構築の1on1から成長支援の1on1へと徐々に軸足を移したい

近藤様

丸岡:1on1研修を経て、私たちは2019年11月に1on1を導入しました。ただし、この時点で導入したのは、社長〜課長クラスの1on1までです。課長クラス〜担当社員の1on1も含めて全社展開したのは、2020年7月でした。

八田:1on1研修の評価は全般的に高く、「これまで受けた研修で一番良かった」という声を数多く耳にしました。事業部長以上だけでなく、部長クラス・課長クラスの意識も確実に変わってきた手応えがあります。

近藤:1on1の導入は順調です。KPIに組み込んでいる効果もあり、実施率は平均約97%を維持しています。「やらされ感」が強くなることを懸念していましたが、その心配もありませんでした。「話しにくかった部下と話す良い機会になっている」「1on1がなければ、これほどみんなときちんと話すことはなかった」「上司が一定の時間を割いてくれるのはありがたい」といった声が多く、双方ともに1on1に好意的な意見が大半です。また、2020年3月の管理職向けアンケートでは、約80%が「1on1は良い」と回答し、約40%が「上司との関係が良くなった」と回答しており、効果は確実に出ています。

丸岡:現場では、1on1を工夫する動きも出てきています。例えば、斜め上の上司と話す「クロス1on1」や、もう1つ上の上司と話す「スキップ1on1」などが行われています。必ずしも直属の上司でなくともよいというルールにして、自由度を保っています。

八田:さらに面白い例としては、事業部長が若手従業員と話すために、階層を大きく飛び越えて1on1を活用しているケースもあります。こうした活用例を加えれば、NECソリューションイノベータの1on1実施率は実質100%を超えているはずです。

丸岡:次の課題は、1on1の質をより高めることです。当初は雑談から始めてもらえればよいと伝えていましたが、今後は会社の将来、部下のキャリアなど、「緊急ではないけれど重要なことを話す時間」をもっと増やしてほしい、と伝えています。関係構築の1on1から成長支援の1on1へと、徐々に軸足を移したいのです。

具体的には、2021年度〜2023年度の新中期経営計画について話し合い、経営・事業戦略の疑問を解消する場として、1on1を活用してもらうキャンペーンを始めています。さらに新中期経営計画を受けて、一人ひとりが自分のキャリアプランを立てる場にもなるように支援しています。

八田:「中期経営計画をこんなに真剣に読みこんだのは初めてだ」とか、「上司と話すことで経営・事業戦略への理解が深まった」という声を早速よく耳にします。

近藤:1on1への期待は大きく、さまざまな課題解決に活用する動きがあります。1on1研修のおかげで、短期間で1on1を根づかせることができました。

企業紹介

NECソリューションイノベータ株式会社
NECグループは、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指しています。当社は、NECグループの社会価値創造をICTで担う中核会社として、人びとの暮らしやビジネスをより良く変えるデジタルトランスフォーメーションを推進します。社会や企業などを取り巻く環境が急速かつ大きく変化するなかで、当社は、システムインテグレータとして、クラウド、ビッグデータ、AI、セキュリティなどの高い技術力・開発力やお客様の業種・業務知識などへの幅広い知見を進化させ、より高度なSIを提供することで、お客様価値の最大化に貢献していきます。また、先進的なICTとイノベーションで新しい価値を生み出すバリュー・プロバイダとして、人や社会の未来を描き、まだ見ぬ製品・サービスの創出、データの利活用などを通じて、新たな価値を創造していきます。そして、お客様との対話や産官学の連携を大切にしながら、地域の課題解決と社会づくりに貢献すると共に、社会に、そしてグローバルに貢献することに挑戦し続けます。