イノベーション創出

<よくあるお悩み>

  • イノベーション(新価値創造)に関して人事が何をすればよいかわからない
  • 組織のどこにイノベーターとなる社員がいるのかわからない
  • イノベーション人材育成の具体的な方法がわからない
  • イノベーションマネジャーは、今までの管理型マネジャーと何が違うのか明確でない
  • 新規事業提案制度をどのように作り、運営すればいいかわからない

問題・背景

人事部門にこそイノベーションは求められる

「どうすれば組織の中からイノベーションをおこすことができるのか?」
これは、弊社のリサーチクエスチョンです。弊社組織行動研究所の「『組織の中でのイノベーション創出』研究」を皮切りに、さまざまな機会を通じて、数多くのイノベーターや経営者、人事部長、経営企画部長、研究開発部長などと議論してきました。対話した企業は約300社にのぼります。

そこで、バブル崩壊後の失われた20年においても、日本には、着実にイノベーションをおこしている企業や団体・組織があることに気付きました。それらはいずれもごく普通の組織で、イノベーションは彼/彼女らの知の交流を通じておきたものです。イノベーションといっても、社会を大きく変える影響力をもつものから、日々の仕事を改善する小さなものまでありますが、多くの場合イノベーションをおこす過程では、「イノベーター」と「イノベーションマネジャー」というべき支援者が必ず存在することもわかりました。そしてそこには、独特の組織形態や独自の制度といった組織側の支援があり、経営者も本気で行動していたのです。

「組織の中からイノベーションをおこす日本企業ならではの作法があるのではないだろうか」「それは、人が思うほど難しいものではないのではないだろうか」「他社の成功例を援用し、真似することができるのではないだろうか」、イノベーションに携わる多くの方々と話すうちに湧いてきたこのような仮説を、弊社では5年かけて実践的に検証し続けています。

イノベーションというと研究開発セクションの専権事項と思われがちですが、そうではありません。それは戦後、『通商産業白書』のなかで「イノベーション=技術革新」と訳されたことから始まった誤解です。イノベーションには必ずしも新技術が必要というわけではありません。

ここでは、イノベーションを「経済成果をもたらす革新」と定義します。革新は、今までにない新しいモノやコトであり、より良い変化を前提としています。つまり、イノベーションとは「より良い変化を創り出すこと」ともいえます。イノベーションはすべてのビジネスパーソンに必要ですが、特にイノベーションを求められているのが、人事部門なのです(図表参照)。

イノベーションの進展プロセス

新価値創造の領域でイノベーションが萌芽すると、そこから顧客を獲得し、市場規模を拡大するためにマーケティングが進展します。そのうち次第に、組織に勝ちパターンが生まれていきます。これは人事部門が管理とコントロールを社員に促し、業績管理を徹底し、評価基準を明確化し、報酬に反映してきた結果でもあります。一方でマーケティングが進むと、組織は急激にバリューネットワーク(既存事業を取り巻く顧客や市場・関係者、モノの考え方・価値観や評価基準、コミュニケーションスタイルなど)に埋没していきます。そして、気付いたときには、今までにないプレーヤーが台頭し、まったく異なる価値を提供する市場ができ上がっている。これが「イノベーションのジレンマ」と言われるものです。

こうしたジレンマに陥らないようにするために、人事部門はいったい何をしたらよいのか? 日本企業が抱える大きな課題です。


主な課題

イノベーションを誰がどうおこし、どうマネジメントするか

新しい価値を生み出す人・組織づくりに関して、人事部門ができることとはいったい何か。 そのことを考えるために、「MIマトリクス®(Marketing Innovation Matrix)」を紹介します(図表参照)。

MIマトリクス

MIマトリクスの横軸には、既存事業の推進(マーケティング)と新規事業の創造(イノベーション)を設定しました。援用元はドラッカーです。この2つは、企業の究極の機能といえます。縦軸のアジェンダ設定とネットワーク構築はコッターの言葉で、リーダーシップの2軸に由来しています。アジェンダ設定とは、何をするのかを決め、ビジョンを示すことで、ネットワーク構築とは、アジェンダ遂行のため社員に動いてもらうことです。

既存事業を推進する際、企業は効率を重視して、勝ちパターンを作ります。投資家からの期待が大きいこともあり、KPIは分かりやすく設定されます。人を動かす手段としてコンピテンシーの設定が有効で、比較的評価がしやすいため、出世コースになりがちです。結果的に、この領域からエースが輩出され、凝集性を活用することが多いのが大きな特徴です。

新規事業創造領域では、状況はまったく異なります。自由が求められ、KPIが設定しにくく、投資家からはあまり期待されません。マネジメントでも自由と寛容が重視され、コンピテンシーは邪魔者扱いされます。ハグレ者が多く、多様性がポイントになります。今後、人事部門にはこの領域のマネジメントが求められるのです。ここでの主な課題としては、次の3点が挙げられます。

(1)イノベーション人材・組織の可視化(誰がイノベーターなのか)

イノベーションをおこすために必要なのは、イノベーターです。イノベーターは、社会課題解決に向けた強い執念や行動力をもっていますが、組織内では既存事業のなかに隠れてなかなか表出しません。また、マーケティングという名のルーチンに埋もれて、課題解決に向けた気持ちが希薄化していく傾向があります。そうなる前に、イノベーターは誰なのかを可視化する必要があり、その役割は人事部門が担うべきです。

(2)イノベーション創出力の強化(どうやってイノベーションをおこすのか)

イノベーションは、往々にして「不」の解消が起点となります。「不」とは、不便・不安・不満・不利・不足・不自由・不具合・不潔などの「お困りごと」を指します。「これはいったい誰の不か?」 「不の大きさは?」「不の重さ・深さは?」「不の生じる背景は?」。イノベーターは顧客や市場に入り込み、リアリティをもってこうした疑問を獲得します。そして、その背景や構造を理解し、組織の資源を活用して、イノベーションをおこしていくのです。その過程では、経営者の賛同を得る必要があり、経営者からの質問に自信をもって正々堂々と答える力が求められます。

(3)イノベーション・マネジメント力の強化(どうイノベーションをマネジメントするのか)

イノベーションをおこすには、組織的な支援が必要であり、この役割を担うのがマネジャーです。マネジャーは、何よりもイノベーターに「ノリ」「共感」し、イノベーションをリードしていくことが求められます。管理型のマネジメントではなく、共感をベースとしたコミュニケーションを実践するのです。

人事部門がこれらの課題に取り組むことで、組織からイノベーションをおこすことができるようになるのです。課題の解決ポイントや施策例については、課題一覧内の該当ページをご参照ください。


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