- 【セミナー開催報告】RMSmessageライブ2011 グローバル競争力再考 〜人・組織の視点から〜
- 上を目指す中国人学生、安定を求める日本人学生 〜日中大学生の就労観についての比較調査〜
- 多くのすばらしい経営者に直接触れて 〜「プロ経営者」の育ち方・育て方研究インタビュー 第10回:織畠 潤一 氏〜
- 産業・組織心理学会 第27回大会参加報告
- Academy Of Management(米国経営学会)2011年度大会 参加報告
- 昇進見込みの低さがキャリアの停滞感や意欲低下に及ぼす影響(3) 〜個人と組織の関係性による相違点〜
- 今日の環境下で昇進するマネジャーの要件 〜管理者適性アセスメント追跡調査2011より〜
- 好きなこと、得意なことを伸ばしてBtoCビジネスの変革を 〜「プロ経営者」の育ち方・育て方研究インタビュー 第9回:田岡 敬氏〜
- 「為せば成る」を原点に、志と行動力が結果を生む 〜「プロ経営者」の育ち方・育て方研究インタビュー 第8回:秋元 征紘氏〜
- 米国産業・組織心理学の最新動向〜SIOP2011年度大会参加報告〜
- ASTD 2011国際会議 参加報告
- 学びを実践しながら、自己に対する厳しさを持ち徹底的にやり抜く 〜「プロ経営者」の育ち方・育て方研究インタビュー 第7回:池本 克之氏〜
- 続「働きがい」は業績に関係するのか 〜2011年発表「働きがいのある会社」ランキング上位企業の株価パフォーマンス
- 合理的・合目的的な意思決定と人とのつながりを大切に 〜「プロ経営者」の育ち方・育て方研究インタビュー 第6回:平松 庚三氏〜
- 神輿には乗りたくない、財務諸表と現場力で企業の再建を 〜「プロ経営者」の育ち方・育て方研究インタビュー 第5回:上山 健二氏〜
- 厳しい“就活”は、新入社員を積極的にした? 〜2011年度新入社員意識調査結果報告
- アメリカ本社での5年間の経験が経営観の礎に 〜「プロ経営者」の育ち方・育て方研究インタビュー 第4回:村上 憲郎 氏〜
- 自分を深く知ることによって、経営者としてぶれない軸をもつ 〜「プロ経営者」の育ち方・育て方研究インタビュー 第3回:河田 卓氏〜
- ベストパフォーマンスを出すために学び続ける 〜「プロ経営者」の育ち方・育て方研究インタビュー 第2回:山田 修氏〜
- 役割転換はどう起こるのか 〜「学生から社会人へのトランジション」を題材に〜
- 32歳のときに45歳で社長になるという目標を 〜「プロ経営者」の育ち方・育て方研究インタビュー 第1回:新 将命 氏〜
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ASTDによると今年の参加者数は約9000名。会場となったMcCormick Place Conference Centerは全米でも最大規模の施設で、会場内は絶えず数多くの人々が行き来し活況を呈していました。米国外からの参加者も今年は1800名(参加人数上位国は図表01参照)と昨年よりも増加。毎年設けられている「インターナショナル・ラウンジ(国外参加者のためのコミュニケーションラウンジ)」は今年、「グローバル・ビレッジ」とその名称を変え、より共同体的な意味合いが強められている印象です。国際大会の「国際化」は昨年を例外としてここ数年急速に拡大しており、今回262あった教育セッションのうち約20%は「Global voice」と呼ばれる米国外からのプレゼンターによるものでした。これはエキスポ(教育ベンダーの展示会)も同様で、欧州、アジアからの出展も多く見られます。



ソーシャルメディアは確かに組織の学習に大きなインパクトを与えそうですが、一方で、人々や組織の間の「垣根」がなくなることは一部の人々にとっては脅威になるかもしれません。大会中日の基調講演者は、ソーシャルメディアを活用したマーケティング戦略の指南書と呼ばれる『グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略(翔泳社)』の著者であるシャーリーン・リー氏でした。リー氏は新著『Open Leadership: How Social Technology Can Transform the Way You Lead(オープン・リーダーシップ:ソーシャルテクノロジーは主導の仕方をどう変えうるか)(Jossey bass)』について触れながら、ソーシャルメディアが社会に与える影響を止めることはできず、そこでのリーダーシップのあり方としては「コントロールを手放すこと」がひとつのアイディアであると主張しました。これは多かれ少なかれコントロールによって組織を維持してきたマネジャーたちにとっては大きなチャレンジです。氏は、コントロールを手放しながら、人々をインスパイアしてゴールを達成していく新たなリーダーシップの姿を「オープンリーダーシップ」として、新たなモデルを提示しています。こうした主張を見れば、ソーシャルメディアの普及が学習ばかりではなく、社会構造や制度を変える可能性を持っていることがわかります。日本においてもTwitter利用者は爆発的に伸びていると報告されています。マーケティング領域のみならず、組織学習の領域にこれらの技術をどう統合していくかは、将来ではなく現在すでに考えるべきことであると感じました。
具体的な例としては、コーチングプロセスの構造化や上司やメンターとのかかわりを組み込んだ総合的なキャリア開発支援のしくみづくりなどがその試みとして紹介されていました。こうした、学習に関するさまざまな経験(研修、コーチング、メンタリング、仕事のアサイン、360度フィードバック、学習コミュニティなど)を効果的に結びつけて、人々の学習プロセスを入念にデザインしていこうとする動きは、従来「能力開発のシステムアプローチ」あるいは「ブレンディッド学習」と呼ばれ、今日の人材開発の国際的なスタンダードともなっているものです。この動きが今「インフォーマル学習をフォーマライズする」という言葉で語られる背景には、従来のプロセスよりもインフォーマル学習の影響力を最大化するために、全社的な視野と規模で介入しようとする意図があるのではないかと感じました。


ASTDの精神的主導者ともいえるケン・ブランチャード氏(名著『1分間マネジャー』の著者で行動科学者)のセッションで今年展開されたのは、サウスウエスト航空の名誉会長コリーン・バレット氏との対談です。同社の「従業員を最も大切にする」という経営理念が、どのように経営陣の行動を通じて実践されているか、そこで働く人々が仕事や会社をどのように感じているかが、実際の従業員や顧客のインタビューを中心とした感動的な映像とともに紹介されました。ここでも人々の幸せがテーマです。