2016年新入社員調査より 今年の新入社員は何を求めているのか?

執筆者情報
企画開発部
マネジャー
主任研究員
辻 真衣子

今年の新入社員は、何を大切にして働きたいと思い、どのような期待と不安を持っているのでしょうか?  弊社では、毎年、新入社員に対して意識調査を行っています。本調査は、新入社員の期待や不安などの5つの質問について、それぞれの選択肢のうち、当てはまるものを最大3つまで選択する形式で行いました。2016年3月24日〜4月8日に、全国各地で開催した新入社員導入研修「8つの基本行動」の当該期間での受講者1,029名(男女比=約6:4/最終学歴:大卒以上=85.9%/300名未満企業比率=71.3%) を対象としています。


仕事に対する「欲」がない!?

はじめに、今年の新入社員は、社会人として働いていくうえで何を大切にしたいと思っているのかをみてみましょう。

昨年と同じく、「社会人としてのルール・マナーを身につけること」「仕事に必要なスキルや知識を身につけること」が1位・2位となりました。

注目すべきは、「任された仕事を確実に進めること」です。ここ5年間を通じて選択率が年々高まっており、今年はとうとう「周囲との良好な関係を築くこと」を抜いて3位となりました。
また、5年間の変化では「元気にいきいきと働き続けること」の選択率が徐々に下がっています。

これらから、任されたことをきちんと確実こなすべき、という仕事に対する真面目さが増している一方、仕事を積極的に充実させたい、新たな仕事にチャレンジしたいといった「仕事に対する欲」が少なくなってきているのかもしれません。

近年「主体性を身につけさせたい」という企業の声が多く聞かれます。任された仕事をこなすことに留まらず、より積極的な仕事への姿勢を促すためには、会社や上司が仕事の面白さや充実感を意図的に経験させる必要があるでしょう。

求めるのは「安心・安全な職場」

次に、今年の新入社員はどのような職場で働きたいと思っているのかをみてみましょう。

昨年と順位の変化はなく、「お互いに助け合う」「アットホーム」「遠慮をせずに意見を言い合える」がトップ3となりました。

過去5年間の変化を見てみると、「お互いに助け合う」が7.2%の高い伸びとなっており、他に「お互いに個性を尊重する」「ルール・決め事が明確」についても年々高まっています。
一方、年々下がっているのは、「活気がある」、「皆がひとつの目標を共有している」、「お互いに鍛えあう」です。

つまり、一人ひとりが受け入れられ支え合える「安心・安全な職場」を望んでおり、厳しくも一致団結して相互研鑽する、いわゆる「体育会系の職場」を苦手とする傾向がますます強まっていると言えます。

最近の新入社員にとって、いきなり「体育会系の職場」に馴染むことはかなりハードルが高いようです。まずは新入社員が安心できる職場の環境づくりを行い、その上でチームの成果にむけて互いに研鑽することも大事であることを意識づけていく、というような段階を踏んだ導入が有効でしょう。

「力強い上司」は期待していない!?

続いて上司に何を期待することをみてみましょう。

例年通り、「相手の意見や考え方に耳を傾けること」がトップでしたが、今年はその他の項目の変動が目立ちました。

まず注目すべきは「言うべきことは言い、厳しく指導すること」で、今年は顕著に選択率が下がりました。合わせて、「周囲を引っ張るリーダーシップ」についても低下傾向が加速し、両項目とも2010年の調査開始依頼、最低となりました。

一方で、「一人ひとりに対して丁寧に指導すること」が年々顕著な高まりを見せ、今年は40%近くの選択率になりました。また、「好き嫌いで判断をしないこと」についても今年は2.9%上がっています。

これらから、時に厳しい指導でぐいぐい周囲を引っ張る「力強い上司」よりも、部下を分け隔てなく扱い、話に耳を傾け丁寧に教えてくれる「優しくまめな上司」を求める傾向が強まっていることが窺えます。
上司にとっては、いきなり厳しく指導するのではなく、新入社員の話に耳を傾け、相手の理解度に応じて丁寧に指導をすることが必要と言えます。

そうはいっても、忙しく余裕のない現実の職場では、わからないことについて常に手取り足取り指導できるわけではありません。そこで、指導にあたっては、新入社員自身が考えて仕事を進められるように育てる意識が重要です。単に「やり方」を教えるだけでなく、なぜそのようなやり方をするのかといった「考え方」や「判断基準」を教えることが有効でしょう。

「チームワーク力」人気が再燃!?

では、今年の新入社員が「これから身につけたい力」を確認したいと思います。

昨年と上位項目に変わりはなく、「コミュニケーション力」が2位以下に大差をつけてトップ、次いで「専門知識」、3位が「プレゼンテーション力」となりました。

詳細を見てみると、「チームワーク」が昨年比較で5.5%と大幅な伸びとなりました。Q2の結果と合わせて考えると、最近の新入社員の“理想的なチーム”とは、「一致団結して高みを目指す」ものではなく、「一人ひとりを尊重しつつ必要なときには助け合える」ものであり、特に今年の新入社員はその一員として自分も役に立ちたいという思いが強いようです。

上司との関係への不安が高まっている!?

最後に「仕事・職場生活をするうえでの不安」について見ていきたいと思います。

例年通り、「仕事についていけるか」が圧倒的な選択率で1位、次いで「先輩・同僚とうまくやっていけるか」、3位が「自分が成長できるか」となりました。
自分の成長よりも、まずは仕事や職場に適応できるかが不安、という傾向に変わりはないようです。

また「上司とうまくやっていけるか」が直近3年では年々高まっています。上述の結果と合わせて考えると、「最近の新入社員にとって、上司の存在はこれまで以上に大きなものになってきているのかもしれません。

新入社員の日常的なフォローは先輩に任せているという上司も多いのではないかと思いますが、上司も節目ごとの声かけを意識するなどして、「上司が自分を気にかけてくれている」と新入社員が感じられることが、仕事・職場に対する適応を促すポイントの1つではないでしょうか。

さいごに

以上、最新の調査結果を考察しながら、今年の新入社員の特徴と、受け入れ側の工夫などを解説してきました。

今年は、「仕事を確実に進めたい」「チームで助け合いたい」という、真面目で仲間を大事にする特徴が際立ち、一方で厳しい環境や状況は苦手、という傾向がさらに加速した結果でした。このような新入社員の特徴を前提として、彼ら・彼女らをいかに効果的に育て活かせるかが、上司・先輩には求められており、これからの時代の企業の競争力を決めるといっても過言ではありません。

新入社員の特徴を踏まえた上司・先輩からの関わりによって、彼ら・彼女らの「役に立ちたい」「成長したい」という思いが1日でも早く形になり、社会人としての活躍に繋がることを願っています。

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