多岐にわたる「トレーナー」という仕事 トレーニングを通じて感じたトレーナーの仕事の醍醐味とは?

執筆者情報
人材開発トレーナー(GCDF−JAPANキャリアカウンセラー)
谷口 寛

弊社には約120人のトレーナーが在籍しています。過去のトレーナーコラムを読んでおわかりのように、テーマはマーケティング、営業力強化、新人フォロー、マネジメント、キャリア、コミュニケーション力と幅広くさまざまです。世の中の組織(企業や団体)と、そこに所属する個人(社員・構成員)の抱える課題が、それだけ多岐にわたっているということのあらわれなのでしょう。

かくいう私もトレーナー暦8年目になりますが、お客様のいろいろな課題に遭遇します。今回はその中で、ある海外でのトレーニング経験を通じて感じた「トレーナーという仕事の醍醐味」について書いてみたいと思います。


1.「CS(顧客満足)向上プログラムを海外展開したい」というクライアントオーダーに応える

発端は、あるグローバル企業であるクライアント様(X社)から弊社プランナーに次のようなオファーをいただいたことに始まります。「アジア圏の販売店における『CS意識』を高めたい。そのために日本の販売店での取り組み(研修、VTR)を展開できないか。3ヵ月後にマレーシアの優秀店長が集う機会があるので、そこでトライアルをしてほしい。それがうまくいけば世界での展開を考えている」

プランナーがまず最初に考えたことは、「当社のノウハウが、国民性、文化様式の異なる海外においても効果があるだろうか?」でした。しかしお客様からのご要望には何とか応え切りたいというプランナーの熱意の元、以前にX社様の研修を担当したことがあり、英語によるトレーニング経験もある私がプロジェクトチームに参加することになりました。

X社様やプランナーとすり合わせながら進めていく中で固まったのが次の概要です。

・受講対象はマレーシアでX社製品を取り扱う販売店(Y社)の店長および販売員。ただし現地資本なのでX社の社員ではなく、パートナー企業の社員。その製品は比較的高額で買い替え期間は数年と長いのが特徴

・現状、X社製品は現地での需要が大きいので黙っていても売れている。しかし将来の競争激化、需要低下を見据えると、数年後お客様が買い替えを考えたときに再びX社製品を選んでいただくためには、いまから販売店の社員全員に日本の本社が考えるきめ細かいサービスの大切さの理解と実践が必須である。そのためにまず顧客満足とは何か、およびその大切さを納得してもらうのが今回の研修のゴール

・このゴールを店長が店舗社員に対して3時間半で達成できるプログラムを作ること
トレーナーとしては、かなり「やりがい」を感じる仕事です。
弊社も研修プランナー、トレーナー、VTR作成パートナー企業がタッグを組んで準備を進め、いよいよトライアル当日を迎えました。トライアル会場であるシンガポールのホテルの一室は受講対象者25名に加えて、会場後方にX社本社、X社アジア拠点、Y社幹部、弊社プロジェクトチームなど総勢25名ほどのオブザーバーがひしめき合っている状況でした。ビデオカメラも設置され、トレーナーである私の緊張も否応なく高まります。

トレーニングでは、まず日本で高いCS評価を受けているサービス現場のビデオを見てもらい、「なぜこれほどお客様からの評判が高くリピーターが多いのか」を考えてもらったり、受講者自身の顧客体験から、お客様の感じる満足・不満について考えてもらったりすることで、自店舗のCS向上について考えるきっかけとしていただきました。お客様が満足を感じるサービスについて、マレーシアの方々からでてきたポイントは「笑顔の応対」「マニュアル通りでない一人ひとりが顧客の立場を考えて動く」「社員同士の協力」といった日本と共通の考え方でした。プログラムのフィット感は高かったようです。
トライアル自体に対して、研修主催者であるX社様から「受講者理解度・満足度共に高く主催者としても満足」と、また今後プログラムを展開するY社からは「とても理解しやすいプログラムである」といずれからもご好評をいただくことができました。

2.トレーナーの仕事の醍醐味とは?

今回の仕事から、トレーナーとして多くのことを学びました。
その中でも一番感じたことは、

・トレーナーの仕事は、クライアント(研修主催者)、受講者、弊社のプランナー、パートナー企業などさまざまな人々との接点の中でこそ価値を発揮する。そのすべてが価値を提供すべき"お客様"であるということ

です。当たり前のことを改めて実感したといった方がいいかもしれません。

弊社はブランドビジョンに「個人と組織が相乗的に価値を高め合っている社会の実現をめざす」を掲げています。その実現のためには、まず個人であるトレーナーとリクルートマネジメントソリューションズという組織が、それを実現しなければ始まりません。

よく"十人十色"といいますが、トレーナー集団は経歴も得意分野も異なる"120人120色"です。そんな仲間が世の中の個人と組織のさまざまな課題に取り組んでいる。そしてお互いに高め合いながら、少しでもお客様からのご要望に応えたいとトレーニング現場で奮闘する。そんな集団の中に身をおいて、日々接するさまざまな人々と泣いたり笑ったりする。これこそトレーナーという仕事の醍醐味だと思います。

3.まとめ

今回は、従来の枠をこえた新たな仕事を軸に、トレーナーという仕事に対して感じていることを書きました。「個人と組織が相乗的に価値を高め合っている社会の実現」のためにやるべきことは尽きないと感じています。今回のように、グローバル展開を進める組織に対して「マネジメントソリューションズ」を提供できないかをテーマに異文化マネジメントを研究することもトレーナーとしてのテーマの一つです。さまざまな人の知恵を寄せ合って、少しでも組織とそこで働く人々が生き生きと成長できる社会に近づくように、トレーナーという仕事を通じて微力ながら貢献できればと考えています。

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