トレーナーインタビュー 知識をわかりやすく教えるのではなく、受講者本人に気づいていただく仕事です

「人の原動力って何だろう?」と考え続けたマネジャー時代が、
トレーナーになった原点です

〈この仕事との出会い〉

 前職時代に大手スーパーマーケットで、売場マネジャーをしていた時期がありましたが、短時間で働くパートの方から、短期間で収入を得たい学生アルバイトまで、様々な理由をもつ方々と一緒に仕事をしていました。指示通達型のマニュアルが重視される環境の中で、「人が動く原動力って何だろう?少しでも前向きに働いてもらうにはどうしたらよいだろう?」ということを、新人時代からいつも考えていました。その後、人事として全社の教育研修を担当するようになってからは、事務局として数多くの研修に立会い、研修を通して人が変わっていく姿を見ることにやりがいを感じていました。10年近く人事部に在籍し、ここで自分ができることはやり尽くしたと感じたとき、外に出て教育・研修をさらに追求したいと思った原点は、やはり売場マネジャー時代にあるように思います。

出産・育児、どんな経験もトレーナーとしての視野を広げてくれます

〈そして今〉

 「こんなはずじゃなかった」。トレーナーになってしばらくは、いつもそう思っていました。知識をわかりやすく教えるのがトレーナーの業務だろう、と甘く考えていたのですが、まったく違いました。RMSの研修の眼目は、受講者本人に自らの内面を見つめ直し、気づいていただくことで、そのためのきっかけ作りとなる「関わり」こそ、トレーナーの最も大切な役目なのです。受講者に気づきや変化を起こすために、トレーナーがここまで準備をしているとは、人事だったときには想像もしていませんでした。

 受講者の方々に自ら気づいていただくには、まずいち早く、何でも話しやすい雰囲気をつくり、「この研修は自分に必要だ」と感じていただく必要があります。その上で、一人ひとりに向き合っていきます。当然、やる気のある方、そうでない方、さまざまなタイプの方が集まりますから、表情、姿、発言などで各自がどのような状態かを判断し、対応を変えていきます。

一人ひとりとの「関わり」は今も毎回必死で、研修中に何かを思っている暇はありませんが、受講後や人事の方からのフィードバックで、「有意義な研修でした」「大事なことに気づくことができました」といった感想をいただくと、やはり嬉しいものです。

 新入社員研修では、学生から社会人へ受講者のモードを変えるため、受講者に厳しく接する場面もあります。そのため、3日間の研修が終わったときには「彼らにとっては厳しいトレーナーだったかな…」と思っていたのですが、後日、全員のメッセージが入った色紙が送られてきたときは、彼らの成長を望む気持ちが伝わったのだと嬉しくなりました。

 トレーナーになってから、出産を経験しました。1年半ほどの産休・育休中は無収入で、業務委託の大変さを知りましたが、復帰後は、スタイルを柔軟に変えられるメリットをありがたく思っています。育児中の現在は、日帰り研修だけを担当し、スケジュールも細かく調整しています。出産や育児は仕事にも大きく影響しています。以前よりもおおらかに人と接することができるようになりました。ワーキングマザーの苦労を身に染みて知ったことも、働く女性としての視野が広がり、若手新人研修では親御さんの気持ちを考えるようになりました。さまざまな立場で考えられるようになって、物事の感じる幅が以前より広がったと感じています。

 RMSの研修プログラムは、いずれも奥が深いもの。内発的な気づきと人間理解を重視するプログラムで、受講者だけでなく、トレーナーの見方、考え方、人間観も進化・深化させ続ける力を秘めています。何度となく実施したプログラムでもいまだに新たな発見があり、工夫の余地があります。今後はさらに、受講者の皆さんと現実の職場で起こっていること、喜怒哀楽を含めた様々な実態を話し合えるような場を作ることを目指しています。このようなプログラムに付き合っていくのは楽ではありません。果たして自分はトレーナーに向いているのかと、今もときどき自問自答するほどですが、苦労する価値のある仕事であることは確かです。この年になっても、日々、成長している実感をもち続けられる仕事は、世のなかにそれほど多くはないと思います。

トレーナーの声

  • 研修はビジネスを支援できるか。永遠のテーマに挑み続ける 高橋常祝 トレーナー(2001~)
  • 日本企業の真のグローバル化に向けた架け橋になる 大出和勇 トレーナー(2012~)
  • ときに波風が立つほど、楽しく真剣に意見を戦わせる場を創る 戸並清志 トレーナー(2008~)
  • いきいきと働く人が増えて欲しい、それが業績向上につながって欲しい 渡辺拓二 トレーナー(2002~)

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