自律型組織に向けて、事業部長にリーダーシップの点検と促進を

プロジェクト概要

背景・課題

自律型組織風土づくりに向けて、事業部長・部門長のマネジメント課題を客観的に把握し、マネジメントスタイルを変革する機会を提供したいと考えました。

検討プロセス・実行施策

事業部長・部門長を対象に、360°サーベイとフィードバックセッションを組み合わせたプログラムを実施。その後、一部の職場では統括部長や統括課長へも展開しました。

成果・今後の取り組み

対象者は前向きに受け止め、自身のマネジメント改善に役立てています。一方、自律型組織を風土化するためには継続が不可欠。マネジメント層以外への展開も視野に入れたいと考えています。

背景・課題

自らのマネジメントを客観的に知る機会を

当社の事業は、エレクトロニクス、エンタテインメント、および金融の3つの事業により構成されておりますが、中でも私たちプロフェッショナル・ソリューション事業本部は、放送用・業務用機器を中心にお客様にソリューションをご提供する事業を担い、その開発設計、製造、販売を行っています。その商品・サービスに関しては、世界屈指のブランド力があると自負しております。

こうした事業の持続的な成長には、イノベーションを生み出す組織力が欠かせません。組織を率いるマネジメントには、社員一人ひとりの力を引き出し、常に組織力を高めることが求められます。
一方、組織を預かる事業部長は1人で数百名の部下をマネジメントしています。そのため、一人ひとりの部下と関わり、自主性やポテンシャルを引き出すコミュニケーションをとることは現実的に難しい。だからこそ一人ひとりが主体性を発揮する、自律型の組織づくりをする必要がありました。
そんな折り、役員からも「事業部長に自らのマネジメントをふり返る機会をつくろう」との話がありました。マネジメント層と、部下である若手社員との間に認識のズレを感じるシーンがあったようです。そのような状況から、自律型組織を形成する上での自身のマネジメントにおける課題を把握することが求められました。

そこで、事業部長が自らのマネジメントを客観視できるよう、上司や部下の目に映る自分に触れる、360°サーベイを実施することにしました。どのような施策を行うとしても、事実がなければ押し付けになってしまいます。逆に事実があれば認識の違いがあったとしても、なぜそのような違いが出たのかを話し合い、改善する材料となります。この実施にあたり、今回、パートナーにリクルートを選びました。ソリューションプランナーが当社を深く理解し、要件定義ができていない相談を投げかけても的確にキャッチアップしてくれる点や、他の事業部を含めソニーの現場を理解し、適切な提案をしてもらえる点に信頼を置いていたからです。

行動改善につながるフィードバックセッションの実施

ソリューションプランナーとも話し合い、私は新たな試みを加えることを決めました。過去にも実施してきた360°サーベイは、マネジメント層にもお馴染みの施策。それに対し今回は、確実な行動実践に向けて、コーチングによるフィードバックセッションを組み合わせることにしたのです。結果を返却するだけでは、一度サーベイ結果を見て、机にしまわれ二度と出てこなかったり、結果から気づきを得ても、そのときやってみようと感じたことを実践する前に、日常の業務に忙殺され行動を変えるアクションまで進まない・・・。私にもそんな経験がありましたし、忙しい事業部長であれば、よりそうなるのではないかと考えたからです。
また、事業部長や部門長の悩みも様々です。考えたことを実行してみようと思うには、その内容が具体的であればあるほど効果的なはず。そのため一人ひとりの状況に合わせたコーチングが必要だと考えました。

ソリューションプランナーの声

社員と変わらぬ思いで貢献する
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 担当ソリューションプランナー


ソニー様とは長いおつき合いになります。言うまでもなく、常に新しい価値を創造してきた企業であり、躍進の裏には難易度の高い課題や複雑な状況を乗り越えてきた歩みがあります。
そうした状況に伴走させていただく身として心掛けているのは「社員と変わらぬ想いで貢献する」の一言。目的やプロセスが見えていない状況でも気軽にご相談いただき、ディスカッションによって最適解を一緒につくっていく。各事業部との信頼関係を強くし、現場の声を拾い、理解し、ご担当者様に私たちの仮説も率直にお伝えする。こうしたスタンスで臨む中、今回の施策も自然な流れでご提案となりました。

検討プロセス・実行施策

フリーコメントで気づきを最大化

これまでにも利用してきた360°サーベイですが、サーベイの項目得点だけでなく、フリーコメントを記入するようにしています。周囲からの具体的な改善要求や、対象者への期待がストレートに伝わるためです。
しかし実施の際には、サーベイの回答者である上司や部下にかかる負担も課題となります。特に今回のように対象者が事業部長の場合は、上司である役員クラスには複数のサーベイ対象者について回答してもらうことになり、15名前後の回答をお願いした役員もいます。取り組みの重要性をよく理解してもらい、フリーコメントも含めて回答に協力してもらえたのは大変ありがたいことでした。

それから、これは上司に限らずですが、サーベイに回答しコメントを書いた対象者に変化がなければ、周囲は落胆し、次にサーベイを実施しても無難なコメントばかりが増え、本音を回答しなくなってしまうかもしれません。しかし行動を変え、それを周囲に認識してもらうには時間もかかります。そのため今回は、まずはサーベイ結果を周囲に報告すること、そしてその結果を受けて自分が実行しようとしている行動を宣言すること。この二つを必ずやってもらうように事業部長・部門長にお願いしました。本音でサーベイに回答し、コメントをくれた人のためにも、人事も支援する必要があると考えています。

継続性を強化したプログラムを統括部長に

事業部長クラスへの実施が終わった後、ある事業部では統括部長クラスへの展開もはかりました。内容もブラッシュアップし、1回だったフィードバックセッションを3回、月に1度実施。さらに事業部長に成果を報告するセッションを設けました。
そこには私自身がコーチング受けたときの経験も影響していました。過去にコーチングを受けたとき、2度、3度と継続するほうが効果的だと感じたのです。コーチングを受けた直後は意欲も高いのですが、日が経つにつれて新鮮さは薄まり、気がつけば自分のクセや心地よい方法に戻ってしまう。しかし定期的にコーチングセッションを持つことで改善に向けての意欲を保つことができました。さらにコーチがこちらの目指す方向性や個性を理解するほどに、より踏み込んだ具体的なアドバイスや、時にははっとさせられる質問を受け、新たな視点に気づくこともありました。こうした私自身が感じていた手応えをもとに、より効果が得られる形にバージョンアップをはかりました。

またコーチングの手法は、部下に対するマネジメントにおいても有効なスキルと言えます。コーチからのくり返される質問に答えるうちに、内省し、思考が深まり、自分で自然と行動を決めているのです。上司が部下にそのような関わりを行うことができれば、それはまさに部下自らが考える自律型組織の礎となると考えました。そのためには、統括部長にくり返しコーチングを体験してもらうことが効果的であると考えました。

サービス開発責任者の声

行動実践にコーチングは有効な手段
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ サービス開発責任者


サーベイを実施した後、結果を受け止め行動に移すために、コーチングを組み合わせることは、非常に有効な手段です。
まずサーベイ結果を受け止めるためには、誰かと対話をする場、とりわけ相手の立場を考えずに本音が言える(安心安全な)場が必要となります。利害関係のある社内のコミュニケーションは、対象者が投げかけを恣意的に捉えてしまったり、話したいことを正直に話せない可能性があります。一方コーチは、常にフラットなスタンスで本人に関わり、信頼関係を築くことで、対象者の中にある答えを引き出していきます。
そのため、当社のコーチ役であるパーソナルパートナーは、限られた時間の中で、自己理解から決定までを自然な形で構成出来るよう、カウンセリング心理学をベースにしたコミュニケーションを行っています。

成果・今後の取り組み

継続を通じて得られる真価に期待

現時点での成果は、正直半分くらいと感じています。対象者の反応から手応えは充分に感じているものの、大きな組織ではマネジメントの変化がすぐには見えづらい点や、継続を通じて初めて真価が得られるという思いがあります。本当の成果が得られるのはこれからにかかっています。
しかし、プログラムそのものへの満足度は非常に高く、管理職ではないメンバークラスにも展開したいと感じるほどです。例えばチームで仕事に臨み、上司や仲間との協働を通じて、新たな価値を生み出そうとしている人たちです。自律型の組織を風土や文化として根づかせていくには管理職だけでなく、一人ひとりの意識を変えていく必要があるからです。
そのために私たちも引き続きチャレンジしていくつもりです。

対象者の声

多くの気づきを得たプログラム、実践における手応えも
ソニー株式会社 某部門長


360°サーベイは3度目でしたが、フィードバックセッションと組み合わさった今回、これまでにない気づきを得ることができました。コーチのサーベイの結果解説では、他社のマネージャーも含めた世間一般との比較を交えてくれるので非常に参考になります。また自覚しながらも改善できない課題に対し、実践的なアドバイスをくれるのも大きかったです。

例えば私は、開発や販売のセクションと協働しながら新しい価値を創造するミッションを担っています。調整役として部門をサポートしながらも、時にはイニシアティブを発揮しなければいけない局面もあります。しかし、もともと人とぶつかるのが苦手で、自分の意見を述べることに躊躇する傾向がありました。
それに対しコーチは、まず丁寧に状況確認をしてくれました。「それは、誰に対してもそうなのか」「どのようなシチュエーションで起きやすいか」といった質問が、自問自答につながり、自分でも整理することができました。そのうえで「いきなり意見を言うのではなく、『おっしゃることは分かります。ですが〜』と枕詞を添えるだけで自分の意見を伝えやすくなる」など、行動につながるアドバイスをくれたのです。

実際に試したところ、自分の意見を理解してもらえたり、相手の本音を聞くことができたり、これまでにない展開に手応えを感じることができました。印象的だったのは、単純に自分の意見を通しただけでなく、相手の意見との掛け合わせで、より良い全く別の解を導きだせたことです。まさに新しい価値の創造につながる刺激的な経験と感じました。これからも気づきを行動に移しながら成功体験を重ね、事業部を横断するポジションだからこそ生み出せる価値を追求していきたいと思います。
それと、もう一つ。相手の自主性を上手に引き出すコーチの質問術は、部下との対話で私も真似してみたいですね。

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