職場ぐるみで新人を育てるOJTを目指して

プロジェクト概要

背景・課題

社員が忙しさのあまり新人を含めた同僚への関心が薄れ、次第に職場の一体感が希薄になっていくのでは…という危機感を抱いていました。

検討プロセス・実行施策

職場ぐるみで人を育てる文化を醸成するために研修を実施。白熱した議論の場となり、OJTリーダーの当事者意識が高まりました。

成果・今後の取り組み

OJTリーダーの行動が変化し、新人の早期戦力化において一定の成果が。今年で取り組みも4年目となり、新人育成における理想的な連鎖が生まれ始めました。

背景・課題

新人への関心が薄れ職場の一体感が失われるという危機感

当社はポンプやコンプレッサなどの風水力事業を中心とする産業機械メーカーです。100年の歩みの中で、燃焼・ガス化、水処理技術を核とする環境エンジニアリング事業、さらには半導体製造装置などを扱う精密・電子事業など、世の中との関わりの大きな事業を展開してきました。近年では日本を含む世界において“域産域消”を基本とした地域戦略を展開。グローバル競争を勝ち抜くために、仕事のスピード化と効率の向上が社員に求められています。簡単にいうと、少ない人数で最大の効果をあげるために、社員一人ひとりが多忙になってしまったのです。目の前の仕事が忙しすぎるあまり、他者への関心が薄れ、職場の一体感が希薄になりつつあるという危機感を抱いていました。

職場の一体感はどのようにして生まれるのか。その答えの一つに、「職場ぐるみのOJT」があると思います。ビジネスパーソンとして成長するためには、仕事を進める中で叱られたり、褒められたりなど、職場での先輩・後輩の関わりが欠かせないという確信が、私にはありました。そして、そこで生まれた絆こそが、会社への帰属意識を高めるはず。仮に、戦力化した社員が「転職しようか」と悩んだとしても、「先輩に育ててもらったおかげで、今ではやりがいのある仕事を任されている」「今の職場であれば、これからも自分は成長していける」と、踏みとどまってくれると思うのです。

そこでまず、新人育成をきっかけにしようと考えました。しかし私は、単に新人の早期戦力化を目指したのではありません。職場ぐるみで新人を育てる文化を根づかせるための第一歩として、職場に働きかけるOJTリーダーを育成しようと考えたのです。リクルートの桑原さんにこの考えを打ち明けたとき、彼と意見が一致したことも実施の後押しになりました。人材育成の分野のエキスパートと考えがほぼ同じであることがわかり、「私のやろうとしていることに間違いはない」と確信したのです。

コンサルタントの声

新人育成にとどまらない育成風土づくりを見据え、職場実践にこだわる
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 担当コンサルタント

服部様からの提案依頼書で最も共鳴したのは、「今日の育成における本質的な課題は、希薄化しつつある職場の育成風土の再生」というコンセプトでした。そしてその中心人物はOJTリーダーであり、新人が育つだけではなく、いかにOJTリーダー自身も同時に成長できるかを重視し、施策を組んでいきました。
印象に残っているのは、提案依頼書の中の「人事都合の研修は×」、「形式的な書類提出や面談は求めない」という記述です。当初から職場での実践を強く意識され、研修後も職場の実践状況をモニタリングした上で施策に反映するなど、この取り組みにかける服部様の本気度こそが、最終成果をもたらした最大の要因だと思います。

検討プロセス・実行施策

研修はゴールではなく手段 行動が変わらなければ意味がない

職場ぐるみで人を育てる文化を醸成するためのパートナー選びは慎重に行いました。実は5社にお声掛けをして、その中から選ばせてもらったのです。決め手になったのは、リクルートの「OJTリーダースタートアッププログラム」が、技術系、事務系などの職種を問わず生かせる内容だったこと。それに、研修を終えた後の社員がどう変わるのか、育成の文化をどう根づかせていくのか、というところに重きを置いていたことです。研修後のフォローは私が責任を持ってやるつもりでしたが、そこでもアドバイスをもらえ、一緒に推進してくれるリクルートはパートナーとしてふさわしいと考えました。

「やるからには最大の効果をあげたい」。そう思った私は、OJTリーダー40名に今回の取り組みにかける情熱をぶつけて、前向きに参加してくれるように働きかけました。私とOJTリーダーの1対1の関係を、40通り築こうと考えたのです。また、忙しいOJTリーダーに新人育成のための時間を割いてもらったり、研修に参加してもらうには、上長の理解も欠かせません。そこで人事の担当役員にも同行してもらい、新人が所属する部署への協力をお願いするために二人で各地の事業所を行脚したのです。

白熱した2日目の議論 高まるOJTリーダーの当事者意識

OJTリーダーを対象とした研修は、通常のプログラムをそのまま実施するのではなく、リクルートとの話し合いの末、内容を決定しました。大きな要望としては、2日間の研修を連続でやるのではなく、初回と2回目の間隔を1カ月程度空けること。その1カ月間のあいだに学びを行動に移し、研修2回目にふり返えれば、より身につくと考えたのです。

そうして訪れた研修初日は、OJTリーダーの本音を共有するところからスタート。新人とOJTリーダーは10歳〜20歳ほど年が離れているので、自分たちが新人だった時代と違って、雑用が減り新人の仕事が高度化している現状や、彼らが成長してきた環境を知ってもらうなど、ジェネレーション・ギャップを埋めるセッションも行いました。また週に1回必ず新人と話す機会を設けるなど、各自で課題を決めて初回は終了しました。2回目は1カ月間をふり返り、うまくいった事例、うまくいかなかった事例をグループで共有。うまくいかなかった事例に関しては、どうすればよくなるのか議論を重ねたのですが、中には講師の意見に反論する受講者がでるなど、かなり白熱した場になりました。 OJTリーダーの当事者意識が高まり、新人育成に本気で取り組んでいる証拠です。

ソリューションプランナーの声

新人−OJTリーダー上長の「縦のライン」をつなぐ
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 担当ソリューションプランナー

職場ぐるみのOJTの実現には新人と上長の理解が欠かせません。そのための施策として、研修2回目にはOJTリーダー宛てに、新人と上長からそれぞれの想いをしたためた手紙を書いてもらいました。中には上長からの期待や、新人からの感謝の言葉に、涙する受講者もいたぐらいです。また研修後には、OJT進捗シートを活用し、育成進捗状況を上長と人事も確認できるようにしました。OJTリーダーだけでなく、周囲も育成状況を理解しフォローすることが大切なのです。

成果・今後の取り組み

「一歩踏み出せば自分も職場も変わる」 研修の学びを行動に変えた社員たち

研修の成果についてはOJTリーダーの声を聞けばわかります。最初は忙しさからしぶしぶ参加していた社員もいましたが、研修後、目の色が変わりました。
「これまでの研修は受けて終わりでしたが、こんなに後味の残る研修は初めてでした。今日から自分の行動を変えようと思います」「研修で決めた行動計画を実践するようになってから、業務以外の雑談もするようになり新人との距離が縮まりました」「OJT進捗シートを2週に一度、上長とメールで共有しています。その際、他のOJTリーダーのシートも共有してもらえるようにしました。そうすることで、上長からアドバイスをもらえるだけでなく、他のOJTリーダーの工夫がわかるようになりました」など。

研修での学びを生かし、行動を変えた社員は少なくありません。OJTリーダーは、自分が一歩踏み出せば、自分も周りも変わるということを体験したようです。受講者の上長から「一皮むけてもらうために、次はこの部下をOJTリーダーに推薦したい」という声も届くようになりました。

かつての新人がOJTリーダーに 新人育成の理想的な連鎖が始まる

研修の成果は上々といったところですが、職場ぐるみで新人を育てる文化をグループ全体に根づかせるには、まだまだ時間がかかるでしょう。というのも当社はグループ全体で700ほどの部門がありますが、OJTリーダーに任命されるのは年に60名ほど。そう簡単に浸透するはずもありません。コツコツ地道に取り組んで、5年後、もしくは10年後にそういう文化が根づいていることに気づくという感じだと思います。

2012年でこの取り組みも4年目となりますが、今年のOJTリーダーの中には、初年度OJTリーダーを悩ませていた元新人もいます。新人育成における理想的な連鎖が始まっていることは確かなようです。

受講者の声

言葉遣いもなっていなかった新人が若手No.1クラスに成長
株式会社荏原製作所 風水力機械カンパニー 海外事業統括 OJTリーダー 藤澤 一人 様

言葉遣いがなっていない、挨拶ができないなど、業務以前の問題を抱えていた新人が、若手No.1クラスに成長しました。特に印象深いのは生産拠点との折衝の場面。最初は相手に怒られてばかりでしたが、今では「そこを何とかお願いしますよ」と粘り強い交渉ができるように。業務と並行して新人教育の時間をつくるのは大変でしたが、「やれば変わるもんだなぁ」と新人の成長を実感しています。新人が褒められると自分のことのようにうれしいですね。

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